施工事例

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 新しくお墓を建てる
  4. 理想の彫刻を叶えるために。予算内で、お客様の希望を叶えたお墓の事例|市原市 I様
市原市  I様

理想の彫刻を叶えるために。予算内で、お客様の希望を叶えたお墓の事例|市原市 I様

  • 市原市のI様からのご相談。石屋のお知り合いを通じて、ご親戚のお墓を新しく建てることになりました。
  • 石塔を全部黒御影石にしたいというご希望でしたが、予算が合わず、白御影石をベースに字彫り部分だけ黒をはめ込む設計にしました。
  • これから先、彫った文字の色を入れ直す手間がかからず、10年後も黒の陰影だけできれいに文字が読めるお墓になりました。

市原市 I様。工事を始める前の区画の様子。
工事を始める前の、区画の様子です。

「彫刻だけは、妥協したくない」

石屋をしております当店を、以前からご存じの方がいらっしゃいます。そのお知り合いのご親戚が、I様でした。ご親戚がお亡くなりになり、市原市に新しくお墓を建てることになった、というご相談でした。

お話をうかがっていくと、I様のご希望ははっきりしていました。石塔は、できれば全部黒御影石で。彫刻に、それだけこだわりたい、と。

正直に申し上げると、これはよくあるご希望です。黒い石は重厚感があって、文字も映えます。ただ、石塔をまるごと黒にすると、どうしても金額が上がります。予算とのバランスをどう取るか。ここが、今回の一番の悩みどころでした。

私たちは、お墓リフォームの専門家として、何万件ものお墓のその後を見てきました。彫った文字の話でいうと、白御影石に彫刻した場合、多くは彫った溝に白や金の色を入れて、文字を見やすくします。ただ、この色は年数が経つと、どうしても褪せたり汚れたりします。10年、20年経つと、文字が読みにくくなって、色を入れ直すご相談を、リフォームでたくさんいただいてきました。

I様は、彫刻に強いこだわりをお持ちでした。だからこそ、この「10年後に文字が読みにくくなる」という話は、他人事ではないと感じていただけたと思います。

だから、字彫り部分だけ黒にしました

そこで私たちがご提案したのが、石塔全体を黒にするのではなく、白御影石(湖南688)をベースにしながら、字彫りの部分だけインド黒の板石をはめ込む、という設計です。

デザインは、当社がいつもお願いしている専属の字彫り屋さんにお任せしました。「真」という文字に、百合の花を添えたいというI様のご希望をもとに、何パターンかデザインをいただいて、I様と一緒にひとつずつ見比べながら決めていきました。

「真」の文字と百合のデザイン案。
専属の字彫り屋さんからいただいた案をもとに、いろいろ組み合わせて決めていきました。字彫り屋さんが用意してくれたユリのデザインの中から、I様にお好みのものを選んでいただきました。

字彫りのデザインを決めているところ。
字彫りのデザインを決めているところです。ご家族の好きな言葉と、百合の花を彫りました。

黒御影石に彫った文字は、色を入れなくても、彫った溝の陰影だけできちんと読めます。だから、色あせも、色の汚れも、そもそも起こりません。石塔まるごと黒にするより費用を抑えながら、こだわりの部分の見やすさ・美しさは、妥協せずに済みました。

敷地は縦長でしたので、参拝のときに動きやすいよう、配置にも気を配りました。せっかくの新しいお墓ですので、ご家族らしさが伝わる一基にしたいと思いました。

完成すると、見えなくなるところ

新しくお墓を建てるとき、私たちが一番手を抜かないのは、完成してしまえば誰の目にも触れない場所です。

土を掘り下げているところ。
まず、土を掘り下げるところから始まります。

隣の区画と深さを比較しているところ。
隣の区画と高さ・深さを見比べながら、地盤の状態を確認します。

転圧・地盤改良をしているところ。
転圧をかけながら、地盤改良をしているところです。

地盤が緩いままだと、後々お墓が傾く原因になります。隣の区画とも見比べながら、しっかり転圧をかけて地盤を固めてから、基礎に進みます。ここで手を抜くと、10年後に取り返しがつきません。

基礎を打つ前の状況。
地盤が固まったら、基礎を打つ準備です。

基礎の厚みは25cm以上。
基礎の厚みは25cm以上。しっかり厚みを取ることで、将来のひび割れを防ぎます。

基礎が薄いと、年数が経ったときにひびが入りやすくなります。ひびの隙間から雑草が出てくると、土のすき間から生えた草より、かえって抜きにくいものです。だから最初の基礎の厚みには、こだわっています。

石と石の継ぎ目(目地)。
石と石の継ぎ目です。自社工場でミリ単位に加工し、隙間なくぴったり合わせています。

この継ぎ目、隙間なく合わせるのは簡単なことではありません。少しでもずれがあると、そこに水や汚れが溜まって、黒い筋になってしまいます。自社工場でミリ単位に加工しているからこそ、ここまでぴったり合わせられます。見えなくなる部分ですが、この精度が、10年後の見た目を大きく左右します。

お墓の中に土を戻さない、というのも、当社が新規建立でも変えないポリシーです。見えなくなる場所ほど、10年後の姿を左右します。リフォームの専門家として、これまで何万件と見てきたからこそ、言い切れることです。

外柵は、一本石にこだわった

外柵の石を運び込んでいるところ。
外柵の石を運び込んでいるところです。ここから、外柵と石塔を組み上げていきます。

実はこの現場、まわりのお墓がぎっしり並んでいて、石を運び込むだけでもひと苦労でした。横から入れようとしても、なかなか入っていきません。外柵の側面の石は、途中で半分に継ぐと運びやすくなります。ただ、それは私たちの都合です。実際に使っていただくことを考えると、側面は継ぎ目のない一本ものの石であるほうが、絶対にいい。目先の運びやすさより、お客様にとっての10年後を選んで、長い一本石のまま、なんとか運び込んで組み上げました。

納骨堂の内部。10体以上収骨可能。
納骨堂(カロート)の内部です。10体以上のお骨を収められる広さにしました。

カロートは、狭く作ってしまうと、将来ご家族が増えたときに困ります。今回は10体以上収められる広さを確保しました。これから何世代にもわたって、建て替えの心配なく納骨していただけます。

石塔を、ミリ単位で据える

石塔を据え付けているところ。
石塔を据え付けているところです。水平をミリ単位で確認しながら組み上げます。

石塔に黒の板石をはめ込んでいるところ。
石塔を据えたあと、字彫り部分に黒の板石をはめ込みました。

10年後も、色を入れ直さなくていい

I様には「費用や墓のデザイン、装飾など不安なことばかりでしたが、懇切丁寧に相談に乗っていただきました」と言っていただけました。予算の中で、こだわりをどう活かすか。そこを一緒に考えられたことが、私たちも嬉しかったです。

石塔全体を黒にするのが、一番シンプルな答えだったかもしれません。それでも、予算という現実の中で、こだわりたい部分だけは絶対に譲らない、という形にたどり着けたと思っています。

字彫り部分を黒にしたことで、I様はこれから先、文字の色を入れ直すために業者を呼ぶ必要がありません。10年後も、20年後も、彫った文字はそのままの陰影できれいに読めます。お参りのたびに、文字の褪せを気にすることもありません。

お墓リフォームの専門家として、私たちはたくさんの「10年後に困った」を見てきました。だからこそ、新しく建てるときも、その先を見据えて設計します。市原市のI様のお墓が、これから先もずっと、ご家族が心穏やかに手を合わせられる場所であればと思います。

施工前 → 施工後


施工前。工事を始める前の区画の状態でした。
施工前。工事を始める前の区画の状態でした。

施工後。字彫り部分に黒を組み合わせた洋型墓石が完成しました。
施工後。字彫り部分に黒を組み合わせた洋型墓石が完成しました。

🔨 5代目のひとこと

今回は、東京に本社がある石屋さんの知り合いを通じてのご紹介で、そのご親戚のI様のお墓を建てさせていただきました。東京は土地が狭いので、狭い場所での細かい仕事に慣れていて、そのやり方を教えてもらえたのも、いい刺激になりました。I様は本当は石塔を全部黒御影石にしたい、というご希望で、彫刻にそれだけこだわりたいということでした。ただ、全部黒だと予算が合わなくて。全部白でも全部黒でも、石そのものの耐久性はそこまで変わりません。でも彫った文字は別です。白に彫ると、こだわりの文字が汚れて見えづらくなってしまう。そこだけは、どうしても妥協したくありませんでした。だから字彫り部分だけ黒の板石をはめ込む形にしました。百合の花も、色を入れれば本物みたいに華やかに見せることもできました。でも色は、入れた直後はきれいでも、だんだん汚れて洗えなくなっていくものです。だから今回は、色を一切使わず、黒の濃淡だけで百合を見せる形にしました。そのほうが、ずっときれいに見えると思ったので。予算に限りがある中でも、そこにこだわられたお客様だったので、できる範囲で精一杯やらせていただきました。

I様にいただいた疑問・ご質問

Q. 石塔を全部黒御影石にしたいのですが、予算的に難しい場合はどうすればいいですか?
全部を黒にしなくても、字彫り部分だけ黒御影石を組み合わせることで、予算を抑えながら文字の美しさ・見やすさを実現できます。今回のI様も、この形でご希望を叶えられました。

Q. 白御影石に彫った文字は、色を入れ直す必要がありますか?
はい。白御影石の字彫りは、色を入れて見やすくすることが多いのですが、その色は年数とともに褪せたり汚れたりするため、定期的な色入れ直しが必要になることがあります。黒御影石の字彫りなら、彫った溝の陰影で文字が見えるので、色入れ直しの手間がかかりません。

Q. 納骨堂(カロート)の広さは、どれくらい確保すればいいですか?
将来ご家族が増えることを考えて、少し余裕を持たせておくと安心です。今回のI様のお墓は、10体以上のお骨を収められる広さにしており、この先何世代にもわたって建て替えの心配がありません。

Googleの口コミでも「金額面やデザインなどいろいろと相談に乗っていただき、満足のいくお墓を建ててもらいました。遠い所までわざわざ足を運んでいただきありがとうございました」と、温かいお言葉をいただきました。本当に励みになります。

I様のお客様の声を読む ≫

執筆:有限会社近藤石材店 5代目 近藤洋(創業1925年・千葉県八千代市佐山1837-1)

関連記事