お墓の石屋が、焼き肉用の溶岩石プレートを削った事例|30cm角を20cm角+油が流れる山型に|東京都 K・U様
- 東京都にお住まいのK・U様から、お肉を焼くための溶岩石プレートの加工をご相談いただきました
- 30cm角で鍋に入らなかった石を、鍋で煮沸消毒できる20cm角に切りました
- さらに表面を、ふちを1cm残して真ん中を高くした「山型」に削り、焼いた肉の油が外へ流れる形にしました
- 食べ物に使う石なので、石の粉が残らないよう念入りに洗って仕上げています
使い終わったあと、鍋で煮沸消毒したい
K・U様がお持ちだったのは、お肉を焼くための溶岩石プレート。買ってはみたものの、30cm角という大きさでは、使い終わったあとに鍋で煮沸消毒しようとしても鍋に入りません。
ネットで加工してくれる石屋を探されたものの、返事が遅かったり、実際には引き受けてもらえなかったりと、なかなか話が進まなかったそうです。そんな中で、近藤石材店に声をかけていただきました。

お持ち込みいただいた時の大きさ。定規を当てると約30cm角あります。
近藤石材店はお墓の石屋ですが、自社工場があるので、こうした持ち込みの石の加工にもその場で対応しています。今回は、鍋にすっぽり収まる20cm角を目指しました。
動画で見る:石屋の工場での加工の様子
切断から削り、仕上げの洗浄まで、実際の作業の様子を動画にまとめました。映像はすべて本物の現場です。
まずは切断機で20cm角に

自社工場の切断機で、20cm角に切り出していきます。
大きさを小さくするだけなら、切断機で切ってしまえば簡単です。20cm角くらいなら印を付けなくても、機械できれいに切れます。切る前には「20cmで、ここを切りますよ」と、K・U様に目で見て確認していただきました。
切るのは簡単。むずかしいのは削るほう

切ったあとで、削る範囲(ふちを1cm残す線)に印を付けます。
むずかしいのは、このあと表面を削る作業のほうです。溶岩石そのものは、庭石や飾って眺める石として扱ったことがあります。でも、お肉を焼く調理用、つまり口に入る物にふれる溶岩石を加工するのは今回が初めてでした。硬すぎる石は刃が飛んでしまいますし、逆に柔らかすぎるとどんどん彫れていってしまい、思った形になりません。
いきなり本番はやらない。切れ端でまず練習

切り落とした、どうせ要らなくなる切れ端で練習。
どんな硬さなのか、どんな削れ方をするのかは、実際にやってみないと分かりません。自分のやり方でうまくいくか分からないまま、一発目からお客様の石でやるのは危ない。そこで、20cm角に切ったときに出た要らない切れ端を使って、先に練習しました。幸いこの石は硬すぎず柔らかすぎず、ちょうどいい硬さでした。
焼いた肉の油が流れるように、表面を山型に
練習で感じをつかんでから、いよいよ本番です。削り方も、K・U様に少しずつ確認しながら決めていきました。最初は油を片側に流す形も話に出たのですが、このプレートの厚みは2cmほどしかありません。片側だけを5mm以上削ると、石に歪みが出てしまうと考えて、その案はやめました。
そこで、周りを1cmほど残して、真ん中は高いまま、全体を3mmほど山のような形になるように削りました。こうしておくと、お肉を焼いたときに出る油が真ん中にたまらず、外側へ流れ落ちていきます。ただ小さくするだけでなく、使いやすい形まで作るのが、石屋としての一工夫です。

水で洗った直後。濡れて光ると、ふちの1cmを残して内側を削った形がよく分かります。
※この本番の削りは、うっかり録画し忘れてしまいました。写真や動画で削っているのは、切れ端で練習したときのものです。
食べ物に使う石だから、洗いは念入りに
食べ物に使う石なので、最後の水洗いはいつもより念入りにしました。溶岩石は穴が大きく、その中に削った石の粉が残りやすいので、穴の奥までしっかり洗い流しています。お客様にも「使う前に一度、煮沸して洗ってください」とお伝えしました。

洗ったあとは、布で拭き上げて仕上げます。
仕上がったプレートは、これで鍋にすっぽり収まるサイズに。K・U様には「素人の私としてはありがたかった。とても満足してます」と、嬉しいお言葉をいただきました。これからは使い終わるたびに、気軽に煮沸消毒しながら長く使っていただけると思います。
| 場所 | 近藤石材店 自社工場(千葉県八千代市)/お客様は東京都在住・お持ち込み |
|---|---|
| ご相談 | 焼き肉用の溶岩石プレート(30cm角)が大きすぎて、鍋で煮沸消毒できない |
| 加工内容 | 切断機で20cm角に切断 → 表面をふち1cm残し・真ん中を高く・約3mmの山型に削る → 念入りに水洗い・拭き上げ |
| こんな方に | 買った石の大きさや形を、自分の使い方に合わせて変えたい方 |
🔨 5代目のひとこと
溶岩石は、庭石や飾る石としてなら扱ったことがあるんですが、食べ物に使う溶岩石の加工は今回が初めてでした。硬すぎたら刃が飛んでしまうし、逆に柔らかすぎるとどんどん彫れていってしまって、形にならないんです。だから一発目からお客様の石ではやらず、切れ端で練習してから本番に入りました。今回の石は硬すぎず柔らかすぎずで、なんとかきれいに加工できました。正直、大きな儲けが出るような仕事ではないんですが、そうやって愛着を持って使い続けてもらえるなら、それだけで嬉しいです。
溶岩石プレートの加工でよくいただくご質問
Q. 焼き肉用の溶岩石プレートを、小さく切ってもらえますか。
A. はい、できます。近藤石材店は自社工場に石を切る機械があるので、今回のように30cm角を20cm角にするといったサイズ調整を承っています。
Q. 切るだけでなく、形を変えることもできますか。
A. できます。今回は、ふちを1cm残して真ん中を高くした山型に削り、焼いた肉の油が外へ流れるようにしました。最初は片側に油を流す形も考えましたが、厚みが2cmほどしかなく、片側を深く削ると歪みが出るため、お客様と相談して山型にしています。「こう使いたい」という目的を教えていただければ、石の厚みや硬さを見ながら形をご提案します。
Q. 食べ物に使う石の加工で、気をつけていることはありますか。
A. 削った石の粉が残らないよう、いつもより念入りに洗っています。溶岩石は穴が大きいので、穴の奥まで水で洗い流します。お渡しのときには「使う前に一度、煮沸して洗ってください」とお伝えしています。
Q. 近藤石材店で買った石でなくても、加工をお願いできますか。
A. はい、よそで買われた石でも大丈夫です。まずは現物かお写真を見せていただき、できるかどうかをお答えします。
Q. 東京都に住んでいますが、相談できますか。
A. 千葉県内(八千代市・船橋市・千葉市・佐倉市・印西市など)が中心ですが、遠方の方からのご相談も歓迎しています。まずはお写真だけでも構いませんので、LINEでお気軽にご相談ください。
加工前 → 加工後
加工前。30cm角で、このままでは鍋に入りません。
加工後。20cm角に切って、ふちを残して内側を山型に。
ほかの「石の加工」の事例
写真だけでのご相談も歓迎しています。
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執筆:有限会社近藤石材店 5代目 近藤洋(創業1925年・千葉県八千代市佐山1837-1・TEL 047-488-5054)