草取りに追われない墓所へ。玉砂利から全面敷石にした事例|八千代市 I・H様
この工事のポイント
施工前。玉砂利のすき間から草が出ていました
施工後。土の見えない全面敷石に
八千代市のI・H様。約4.5メートル四方の広い墓所で、玉砂利の草取りが大変になっていました。玉砂利をやめるだけでなく、草の原因になる下の土から取り出して、全面を敷石に造り直しています。


① 草の原因の土を、階段石の下まで全部取り切る
玉砂利の下は土のままでした。深さ30〜40センチまで、外さずに残す階段石の下にも手を入れて取り切り、墓所の中には戻していません。

② 敷石の下は、しっかりコンクリート
砕石を締め固め、ワイヤーメッシュを入れて、生コン車とポンプ車で下地コンクリートを全面に打ちました。敷石が沈みにくく、すき間から草も出にくくなります。

③ ずれていた石塔は、免震工法で据え直す
石と石の間にはほとんど何も入っておらず、石塔がずれやすい状態でした。免震パッドと耐震コーキングで、地震で動きにくくしています。
| 場所 | 千葉県八千代市の墓地 |
|---|---|
| 墓所の広さ | 間口・奥行きとも約4.5メートル |
| 工期 | 2026年4月28日〜7月30日 ※お客様のご了解をいただき、途中でほかの現場の工事もさせていただいたため、期間が長くなっています |
| ご相談 | 玉砂利の草取りが大変/敷石が何枚か下がってきた/墓誌の欠け |
| 主な工事 | 玉砂利と土の撤去(深さ30〜40センチ・階段石の下まで)/砕石の転圧/ワイヤーメッシュ入り下地コンクリート/全面敷石張り/石塔の免震据え直し/外柵の金物追加/墓誌の磨き直し/カロートの二段化 |
| こんな方に | 玉砂利の草取りに追われている方/敷石の沈みやお墓のぐらつきが気になる方/次の代に手間を残したくない方 |
「うちのお墓も同じかもしれない」と思ったら、スマホで今のお墓の写真を撮って、LINEで送ってください。写真を見て、どこに原因がありそうかをお伝えします。
お電話は 047-488-5054(24時間受付・AI対応)
ここから先は、工事の中身を順番にお見せします。少し長くなりますが、完成したら見えなくなるところこそ、近藤石材店がいちばん力を入れているところです。
「草取りが、大変になってきて」
最初にいただいたご相談は、三つでした。
雑草取りが大変になってきたこと。敷石が何枚か下がってきたこと。墓誌の欠けが気になること。
I・H様のお墓は、間口も奥行きも約4.5メートルある広い墓所です。外柵、階段、石塔、灯籠、墓誌がそろった立派なお墓で、ご先祖を大切にしてこられたのがよく伝わってきます。
ただ、広いということは、草を抜く面積も広いということ。お参りのたびに、草取りだけでひと仕事だったと思います。

施工前の墓所の内側。一部が敷石、残りは玉砂利敷き
玉砂利の下は、土のままでした
墓所の内側は、一部が敷石、残りは玉砂利という造りでした。
玉砂利の下は、土のままのことが多いんです。年月とともに砂利のすき間へ土が入り込み、そこに種が落ちて草が生えてきます。抜いても抜いても出てくるのは、お手入れが悪いからではありません。建て方に原因があります。
敷石も何枚か下がっていました。
石塔を外してみると、もう一つ分かったことがありました。クレーンで吊り上げると、石と石の間にはほとんど何も入っておらず、簡単に外れてしまったんです。昔の施工では目地のモルタル程度しか入っていないので、これだけ重い石塔でも動きます。地震が来たら倒れてもおかしくない状態でした。

石と石の間にはほとんど何も入っておらず、簡単に外れました
草の表面だけをなんとかしても、また同じことになる。だから、内側をいちど全部やり直すことをご提案しました。
土は、全部出します
今回の工事でいちばん大切な工程が、ここです。
石塔、灯籠、墓誌など上物をすべて取り外したあと、約4.5メートル四方の内側の土を取り出していきました。

広い墓所の内側の土を、すべて取り出していきます
掘り進めると、内側は全面を覆うベタ基礎ではなく、石塔の下だけに設けられた布基礎(帯状の基礎のことです)でした。既存のカロート(納骨室)と布基礎はそのまま残し、それ以外の土は徹底的に取り除いています。
深さは、スケールを当てて確かめます。今回は30〜40センチまで掘り下げました。目分量ではなく、数字で確かめる。これが近藤石材店のやり方です。

スケールを当てて、30〜40センチの深さを確認
取り出した土は、墓所の中には戻しません。処分費はかかりますが、見えない敷石の下に土を戻せば、いずれそこから草が出てきます。お墓リフォームの専門家として、ここだけは譲れないところです。
階段石の下にも、手を入れました
階段石は、今回は外さずに残しました。まだまだ使える石だからです。
ただ、その下に土が残っていると、そこから草が回り込んで生えてきてしまいます。なので、残す階段石の下までしっかり土を取り除きました。

残す階段石の下まで、土を取り除きました
体を横にしないと手が入らない狭さです。そこへ手作業で砕石を詰め、あとで生コンクリートを流し込んでバイブレーター(振動で隅々まで行き渡らせる道具です)で充填しました。
正直に言うと、今回いちばん骨の折れた作業です。完成したら決して見えない場所ですが、ここを省かないことが長持ちの分かれ目だと思っています。

階段石の下にも、手作業で砕石を詰めていきます
完成すると、見えなくなる床
墓所の全面に砕石を入れ、しっかり叩いて締め固めます。ここが緩いと、何年かして敷石が沈む原因になります。
転圧のあとは、全面にワイヤーメッシュを敷き込みました。メッシュが入ることでコンクリートが割れにくくなります。カロートにコンクリートが入らないよう、開口部も養生しています。

墓所の全面に砕石を入れて、締め固めます
面積が広いので、生コン車とポンプ車を手配しました。品質の安定した生コンクリートを、時間をかけずに一気に打ちます。

生コン車とポンプ車で、一気に打ちます
敷石を張ったときに段差が出ないよう、平らさと水勾配(雨水が流れていくためのわずかな傾き)を見ながらの作業です。

平らさと水勾配を見ながら、職人総出で均します
玉砂利と土だった内側が、すき間のない一枚のコンクリートに変わりました。

土だった内側が、一枚のコンクリートに
使える一枚ものは、そのまま使う
中央の敷石には、もともと立派な一枚ものがありました。これはそのまま使わせていただいています。
ただ、一枚が重くて、ふつうのように持ち上げて据えることができません。先に高さと水勾配だけを出しておき、石の下にモルタルをしっかり詰め込みました。いつもとは違うやり方ですが、中まですき間なく充填しています。

もとからあった一枚ものの敷石を、そのまま活かしました
三枚目からは、一枚ずつ手で張っていきます。石塔まわりなど納まりの難しいところは、型紙を取って合わせながらカットしました。広い墓所なので、ここでの数ミリのずれが全体の仕上がりに響きます。目地(石と石のつなぎ目のことです)の通りを確かめながら、慎重に張り込みました。

一枚ずつ、目地の通りを見ながら張っていきます

全面の敷石が張り上がりました
地震で、動かないように
草の対策と一緒に、石が動かないようにする手当ても全部やりました。
外柵は、上段の均石(ならしいし)などにはもともと金物が入っていて、動いていませんでした。一方で、親柱と均石の取り合いや階段石まわりなど作業のしづらいところには入っておらず、目地が開いていました。そこへ新しく金物を入れ、階段石のところは鉄筋を挿し筋したうえで金物を回しています。

継ぎ目に、新しく金物を取り付けました
石塔は、免震パッドが効く段すべてに免震パッドを入れ、耐震性の高いコーキング材を併用しました。石と石をしっかり結びながら、揺れを逃がす造りです。

免震パッドを入れ、一段ずつ水平を見ながら据えます
大きな先祖石塔は、墓所の中からは吊れず、道路から直接クレーンで吊り込みました。反対側がすぐ道路なので、万一にも倒すわけにはいきません。ダボ(石と石をつなぐ芯)を二本入れ、石材用ボンドとモルタルで固定しています。
四つ横一列に詰めて並んでいた小ぶりな先祖石塔は、二基ずつ二列に組み直しました。石と石の間に手が入るので、お掃除もお参りもしやすくなっています。昔の石塔は底が機械で切りそろえられておらず免震パッドが効かないため、中央に石材用ボンド、四隅をモルタルで支えました。

先祖石塔は二列に組み直し、手が入る間隔に
このほか、せっかくの広い墓所なのに石塔にくっついて据えられていた墓誌は、間隔を空けて据え直しました。欠けていた天板は自社工場で磨き直し、もとの艶が戻っています。市販の小さなカロートには、石を加工した「受け」を取り付けて棚板で二段にし、納骨のスペースを増やしました。
十年後も、手を合わせに来るだけのお墓に
工事のあとは、墓所全体を高圧洗浄し、まわりの通路まで掃き清めてお引き渡ししました。
土の見えるところは、もうありません。外柵と敷石の取り合いも、すき間なく納まっています。

外柵と敷石の取り合いも、すき間なく
雑草がまったく出ないとは言いません。目地からわずかに出ることはあります。それでも、たまったごみをブロアで飛ばしていただければ、きれいな状態を保ちやすいお墓になりました。
草取りに追われていたお参りが、ゆっくり手を合わせるためのお参りに変わる。十年後、二十年後、次にこのお墓を守るご家族にとっても、同じことが言えると思います。
🔨 5代目のひとこと
I・H様からは、草取りが大変になってきた、敷石が下がってきた、墓誌の欠けが気になる、という三つのご相談でした。広い墓所ですから、草を抜くのも本当に大変だったと思います。玉砂利の下の土を全部出して、残す階段石の下まで手を入れました。あそこは体を横にしないと手が入らなくて、今回いちばん骨が折れたところです。お墓のリフォームを専門にしている者として、今持てる力を全部使わせてもらいました。もう直すところはない、というところまで仕上がっていると思います。
I・H様にいただいた疑問・ご質問
Q. 玉砂利の草取りが大変です。砂利をやめて敷石にすれば、草は止まりますか?
A. 敷石にするだけでなく、その下の土を取り出すことが大切です。玉砂利の下は土のままのことが多く、そこから草が出てきます。八千代市のI・H様の墓所では、土を30〜40センチの深さまで、残す階段石の下も含めて取り出し、砕石と下地コンクリートの上に敷石を張りました。目地からわずかに出ることはありますが、草取りに追われることはなくなります。
Q. 敷石が何枚か沈んできました。張り直すだけで直りますか?
A. 敷石が下がる原因の多くは、下地のやわらかさです。上の石だけ張り直すより、下地から造り直すほうが長持ちします。I・H様の墓所では、砕石を入れてしっかり締め固め、ワイヤーメッシュ入りの下地コンクリートを打ってから敷石を張りました。使える石は使う、が近藤石材店の考え方なので、立派な一枚ものの敷石はそのまま活かしています。
Q. 墓誌の欠けも、一緒に直せますか?
A. 直せます。I・H様の墓誌は合わせ目に欠けが出ていましたので、自社工場へ持ち帰って天板を磨き直し、もとの艶を戻してから据え直しました。外した石は工場で古い目地の掃除と高圧洗浄もしてから現場に戻しています。
施工前 → 施工後
施工前。玉砂利の下は土のままでした
施工後。土の見えない全面敷石張りに
お墓の草取りや沈みで困っていたら、まずは写真だけでも大丈夫です。今のお墓を見て、10年後もラクにお参りできる直し方を一緒に考えます。
執筆:有限会社近藤石材店 5代目 近藤洋(創業1925年・千葉県八千代市佐山1837-1・TEL 047-488-5054)