竹藪のそばでも、落ち葉掃除はほうき一本で。羽目石のない洋型のお墓を建てた事例|八千代市 Y様
- 施工時期:2024年9月/千葉県八千代市/新しくお墓を建てる工事
- 八千代市のY真司様より、お父様のご逝去にともない、新しいお墓を建てたいとご相談をいただきました。
- 墓地のすぐそばが竹藪で、夏場はまわりの草、それが終わる頃には竹の落ち葉が入ってくる場所だったため、羽目石をなくした掃除のしやすい洋型のお墓をご提案しました。
- どう変わったか:草や落ち葉が入ってきても、段差につまることなく、ほうき一本でサッと掃けるお墓になりました。
夏は草、そのあとは竹の落ち葉
八千代市のある墓地は、すぐそばが竹藪でした。夏場になると、まわりから草が伸びて入ってくる。その草がようやく弱ってきたと思ったら、今度は竹の葉がはらはらと落ちてくる。一年じゅう、何かしら入ってくる。そんな場所です。
Y真司様より、新しいお墓を建てたいとお声がけいただいたのは、お父様が亡くなられたことがきっかけでした。大切な方を送るための場所づくり。私たちも気を引き締めてお話を伺いました。
実際に現場を見に行かせていただくと、思っていた以上に竹藪が近くて。Y様の区画のまわりは、まだお墓が建っていない場所も多く、これから何十年も、夏には草が侵入してくること、そしてそのあとには竹の葉が舞い込んでくることが目に見えていました。抜いても抜いても生える雑草と同じで、落ち葉も「掃除してもきりがない」という不満につながりやすいものです。このままの形で建てたら、Y様に毎回大変な思いをさせてしまう。そう感じました。

工事前の区画。すぐ裏手が竹藪でした。
羽目石はなくして、低くどっしりと
そこで思い切って、羽目石のないお墓はどうでしょうとY様にご提案しました。
羽目石というのは、外柵のまわりを囲む石のことです。これがあると、石と石のすき間に草の種や落ち葉、砂がたまりやすく、竹藪のそばのような立地では、どうしても掃除の負担が増えてしまいます。だったら、その段差やすき間をできるだけなくして、ほうきで一気に掃ける面にしてしまおう。そう考えました。
石塔の形も、あわせて決めていきました。共同墓地のなかには背の高い和型の石塔が多く並んでいましたが、Y様は地震のことをとても心配されていて。そこで、低くてどっしりした洋型に。重心が下にある分、地震に強い形です。天板の上まで手が届くので、拭き掃除もラクにできます。
石は、外柵にカンボジア小目という白御影石を、石塔にはインド黒という黒御影石を選びました。白と黒が映えて、すっきり見えます。
じつはこの羽目石のない形は、近藤石材店としてつくるのがY様のお墓が初めてでした。記念すべき1号です。当店は自社工場を持っているので、型どおりの作り方にとらわれず、その土地に合わせた形を一から考えることができます。
ここまでが、図面の上でかたちを決めていく話です。かたちが決まったら、いよいよ土台づくりに入ります。
土は、軽トラック5台分
まずは区画の土を掘り起こすところから。このとき出た土は、軽トラックで5台分ありました。それを全部、外に運び出しています。
近藤石材店は、お墓の中に土を戻しません。抜いても抜いても雑草が生えてくるのは、お客様のお手入れが悪いからではなく、処分費を浮かすために、見えない石の下へ土を戻してしまう建て方に原因があります。土が残っていれば、そこから必ず草は出てきます。だから運び出す。処分費はかかりますが、10年後の姿がまったく違ってきます。

まずは土を掘り起こすところから。ここから軽トラック5台分の土を運び出しました。
完成すると、見えなくなるところ
ここから先の話は、できあがると全部見えなくなってしまう場所のことです。ですが、10年後、20年後にお墓がどうなっているかは、じつはこの見えない部分でほとんど決まります。
土を出したあとは、砕石を入れて、機械でしっかり転圧します。転圧というのは、地面を叩いて締め固める作業のことです。ここが甘いと、何年か経ってから沈んだり傾いたりします。誰にも見えなくなる場所ですが、いちばん大事なところです。
そして、まずカロートが入る部分から打っていきます。カロートというのは、お骨を納める部屋のことです。ここは二段にしました。一段のままだと入る数が決まってしまいますが、二段にしておけば、これから何十年も先、お子さんの代、お孫さんの代になっても、納骨で困ることがありません。カロートの石そのものが30センチありますので、それを受ける底を先に打ってから、まわりを30センチの厚みで打っています。

カロート用の基礎を先に打っているところです。

見えなくなる部分から、しっかりつくります。
そのあと、全体に鉄筋を組んで生コンを打ちます。型枠は30センチのものを使って、20数センチの厚みで打ちました。鉄筋を入れておくと、地面が少し動いてもコンクリートが割れにくくなります。割れた隙間から出てくる草は、土から生える草よりずっと抜きにくいので、そうならないように最初から入れておく。これは何万件と工事に携わってきたなかで、いやというほど見てきたことです。

基礎を打っているところです。

基礎打ちが進んでいきます。
目地が開かないように、内側に金物を
土台ができたら、次は外柵の建て込みです。
ここでも、内側には必ず金物(ステンレスの金具のことです)を入れています。石と石を金具でつないでおくと、年数が経っても目地(石と石のつなぎ目のことです)が開いてきません。目地が開くと、そこに土や種が入って草が生えますし、雨水も入ってしまいます。
見た目はどこまでもシンプルなお墓です。でも、内側ではこういうことを一つずつやっています。

外柵を建て込んでいるところです。

シンプルな形でも、内側には必ず金物を入れて、目地が開かないようにしています。
最後に、石塔を据えます
外柵ができあがったら、いよいよ石塔の建て込みです。
インド黒の、低くてどっしりした洋型。据わってみると、白い外柵とのコントラストがはっきり出てきました。背が低いので圧迫感がなく、まわりの高い和型のお墓が並ぶなかでも、すっきりと落ち着いて見えます。

石塔を建て込んでいるところです。
「思った以上にシンプルで」
創業から五代続く石屋として、見た目の美しさだけでなく、日々のお参りのしやすさや安心感まで考えて建てさせていただきました。
完成したお墓をご覧になったY様からは、思った以上にシンプルですが、とても掃除がしやすく素敵なお墓をつくっていただきありがとうございました、と仰っていただきました。そう言っていただけて、私たちもとても嬉しかったです。

完成したお墓です。
白と黒の御影石が映える、すっきりとした洋型のお墓ができあがりました。夏場にまわりから草が伸びてきても、そのあと竹の葉が舞い込んできても、段差につまることがないので、ほうき一本でサッと掃けます。これから10年、20年経っても、Y様が「意外とラクだね」と思いながらお参りを続けていただけたら、私たちも嬉しいです。
施工前 → 施工後

施工前。竹藪のそばの区画でした。

施工後。ほうき一本で掃けるお墓になりました。
🔨 5代目のひとこと
Y様の区画は、すぐ裏が竹藪でした。まわりにまだお墓が少ない場所だったので、夏場の草も、そのあとの竹の葉も、これから何十年も入ってくるのは目に見えてたんです。だったら、来るもんは来るんだから、羽目石をなくしてしまおうと思いました。うちとしても初めての形でしたが、思い切ってやりました。ただ、シンプルにするからこそ、内側は手を抜きません。土は軽トラ5台分、全部外に出しています。金物を入れて目地が開かないようにする、カロートは二段にして何十年も先まで使えるようにする。そういう見えないところの積み重ねです。Y様には、シンプルだけど、これから先のお手入れのことをちゃんと考えた形ですと、お伝えしました。うちだからできた形だと思っています。
Y様にいただいた疑問・ご質問
Q. 基礎はどれくらいの厚みで打つのですか?
Y様のお墓では、30センチの型枠を使い、20数センチの厚みで打っています。カロートを受ける部分は、先に底を打ってからまわりを30センチの厚みにしました。薄いとひび割れの原因になり、割れた隙間から生える草は土から生える草より抜きにくいので、ここはしっかり厚みをとります。
Q. 掘った土は、そのまま埋め戻すのですか?
いいえ。近藤石材店ではお墓の中に土を戻しません。Y様のお墓でも、掘り出した土は軽トラック5台分すべて運び出しました。土が残っていると、そこから草が生え続けてしまうためです。
Q. 羽目石のないお墓は、強度や区画の収まりに問題はありませんか?
羽目石は主に土留めや区画の仕切りとして使われますが、外柵や基礎のつくり方を工夫すれば、羽目石がなくても十分な強度を保てます。Y様のお墓も、鉄筋を入れた基礎と、内側の金物でしっかり固定することで、羽目石なしでも安心な仕上がりになっています。
Q. 年数が経つと、石と石のつなぎ目が開いてくると聞きました。
外柵の内側に金物を入れて石どうしをつないでおくと、目地が開きにくくなります。目地が開くとそこに土や種が入って草が生えるので、当店ではシンプルな形のお墓でも必ず入れています。
Q. 洋型のお墓は地震に弱いのではと心配です。
むしろ逆で、洋型は和型に比べて背が低く重心が低いため、地震に強いという特徴があります。Y様も地震を心配され、低くどっしりした洋型を選ばれました。
★★★★★ Googleの口コミより(Y様)
初めて墓石を立てるためにお世話になりました。とても親しみやすい社長さんです。100年の実績のある老舗石材店だそうで、安心してお任せできました。ありがとうございました
Y様から、こんな温かいお言葉と星5つの評価をいただきました。ありがたい限りです。
八千代市・船橋市・千葉市・四街道市・大網白里市あたりで、お墓の建立や、掃除しやすいお墓づくりで気になることがございましたら、当店は『お墓リフォームの専門家』として、お気軽にご相談ください。
執筆:有限会社近藤石材店 5代目 近藤洋(創業1925年・千葉県八千代市佐山1837-1・TEL 047-488-5054)