「これで、肩の荷がおりました」——運転をやめて、遠くなったお墓を墓じまいした事例|松戸市 T・Y様
- 松戸市のT・Y様からのご相談。松戸市営 白井聖地公園にある、お母様の代から続くお墓の墓じまいです。
- 体調をくずして車の運転をやめられ、通えなくなったお墓を、お骨の取り出し・石の解体から、市のきまりに沿った更地のお返しまで、近藤石材店が一式でお引き受けしました。
- お骨は、ご自宅に近い松戸市内の八柱霊園(東京都立)へ。遠くて通えなかったお墓が、近くでまた手を合わせられる形になりました。「これで肩の荷がおりた」と言っていただけたお墓です。
運転をやめたら、お墓が遠くなって
「体をこわしてから、車の運転もやめたんです」。T・Y様は、そう話してくださいました。
お墓があるのは、松戸市営 白井聖地公園。松戸のご自宅からは距離があって、駅からも遠い霊園です。元気なうちは車で通えていました。でも、運転をやめたとたん、同じお墓が急に”遠く”なってしまった。お母様もご高齢です。行きたくても、行けない。
草が伸びていくのを思うと、心がちくりとする。「気にはなっているのに、通えない」。その申し訳なさを、ずっと抱えていらしたそうです。悩んだ末に、きちんとお返しすることを決められました。

施工前。お母様の代から続いてきたお墓です。
まずは、お墓を開けるところから
墓じまいは、いきなり石を壊すことではありません。はじめにするのは、お墓を開けて、ご先祖様のお骨をていねいに取り出すことです。ここが一番、心を込めるところ。

ご先祖様のお骨を、ていねいに取り出します。
取り出したお骨は、松戸市内にある八柱霊園へお移しします。東京都が管理している霊園ですが、場所は松戸市の中。ご自宅からは、白井のお墓よりずっと近いんです。「これなら、また会いに行けます」——そう言っていただけて、私たちも嬉しかったです。
お骨をお預かりしたら、石塔を一つずつクレーンで吊って外し、お墓を囲んでいる外柵も、順番に外していきます。長く据わっていた石ほど、下でしっかり効いていて、簡単には動きません。ベテランの佐々木が、まわりのお墓を傷つけないよう、少しずつ手をかけて外していきました。

石塔を一つずつ吊り上げて、外していきます。

外柵(お墓を囲む石)も、順番に外します。
五十年分の石を、運び出す
外した石は、見た目より、ずっと重いです。一つひとつクレーンでトラックに積んで、運び出します。白井聖地公園は通路が狭いところもあって、若手の杉江が、隣のお墓にぶつけないように声をかけ合いながら積み込みました。
何十年ものあいだ、ご家族を見守ってきた石です。ぞんざいには扱いません。

クレーンでトラックに積んで、運び出します。
なぜ、基礎はこんなに手強いのか
石を外すと、その下からコンクリートの基礎が出てきます。掘ってみて、みんなで顔を見合わせました。厚みが20cmを超えていて、しかも中には鉄筋が入っていたんです。
これは、昔の職人さんが「地震でも動かないように」と、それだけ頑丈に作った証拠です。立派な仕事でした。ただ、壊すとなると、これが一苦労。削岩機で少しずつはつって、鉄筋は一本ずつグラインダーで切っていきます。
出たコンクリートやガラは、その場に残しません。大きなかたまりから細かいガラまで、全部きちんと運び出して、処分場へ。見えなくなる部分ほど、ていねいに。ここは近藤石材店のこだわりです。

基礎の厚みは20cm超。それだけ頑丈に作られていました。

中の鉄筋は、一本ずつグラインダーで切ります。

壊したコンクリートは、残さず運び出して処分します。

細かいガラまで、きれいに取り除きます。
水抜きのパイプは、埋めずに残す
ここが、意外と知られていないところです。白井聖地公園は松戸市営の霊園なので、お返しするときのきまりがあります。その一つが、雨水を抜くためのパイプ。
基礎を全部はつったら、掘れるところまで掘っていきます。そのとき出てくるのが、この水抜きパイプ。土でうめてしまってはいけないんです。次にこの区画を使う方が困らないように、パイプは残しておく決まりになっています。口が塞がらないよう、そっと気をつけながら残します。

水抜きのパイプは、市のきまりで残します。埋めないように、慎重に。
パイプをきちんと残したのを確かめてから、掘った穴に土を入れて、埋め戻していきます。知らないと、うっかり埋めてしまうところ。市のきまりに沿って、最後まで手を抜きません。当たり前のことですが、この当たり前を、きちんとやります。

パイプを残したら、土を入れて埋め戻します。
きれいな更地にして、お返しする
最後は、地面をたいらにならして、きれいな更地にします。ほうきで掃いて、小さな石ころも拾って、整えて。長いあいだお世話になったお墓を、気持ちよくお返しできる状態にします。

きれいな更地にして、お返しできる状態になりました。
それから、防草シートも敷いておきました。少しでも草が出にくいように。次にこの場所を使う方への、ちょっとした心づかいです。

最後に、防草シートも敷いておきました。
遠くなってしまったお墓を手放すのは、寂しさもあります。でも、お骨はご自宅の近く、松戸市内の八柱霊園へ。もう、「行けない」と気に病まなくていい。近くで、また手を合わせられます。「これで肩の荷がおりました」と言っていただけて、私たちもほっとしました。
「体調がすぐれなくて、もう通えない」「このままでは、次の代に負担を残してしまう」。もし今、そんなふうに感じているお墓があれば、一度お聞かせください。現場を見に伺って、無理のないお返しの仕方を、一緒に考えます。
施工前 → 施工後

施工前。通えなくなっていたお墓。

施工後。きれいな更地にして、お返ししました。
🔨 5代目のひとこと
お母様がご高齢で、T・Y様も体調をくずされて車を手放され、白井まで通うのがどうしても難しくなった——そういうご事情でのお墓じまいでした。正直に言うと、まだしっかりした立派なお墓で、壊すのは少し忍びない気持ちもありました。でも、お骨は松戸市内の八柱霊園に移せることになって、これでご家族がまた近くでお参りできる。それが一番よかったと思います。市のきまりの水抜きパイプまで、見えないところこそ手を抜かずにやりました。※洋さんの言葉に直してください
よくあるご質問
Q. 墓じまいって、石を撤去したら終わりですか?
A. いいえ。お骨の取り出しから、基礎の解体、市のきまりに沿った更地のお返しまでを含めて墓じまいです。白井聖地公園のように、水抜きパイプを残すなど、霊園ごとの決まりもあります。
Q. 取り出したお骨は、どこへ移せばいいですか?
A. 新しい供養先へお移しします。今回は、松戸市内にある八柱霊園(東京都立)にお納めしました。ご自宅の近くを選ぶと、お参りがぐっと楽になります。移し先の手続きの流れも、あわせてご案内します。
Q. 遠くて自分では通えないお墓でも、頼めますか?
A. はい。松戸市営 白井聖地公園をはじめ、まず現場を見に伺って、石の解体からお返しまで一式でお引き受けします。遠方でなかなか行けない方こそ、お気軽にご相談ください。
執筆:有限会社近藤石材店 5代目 近藤洋(創業1925年・千葉県八千代市佐山1837-1)