雨のあとも、靴が汚れない。土のままだった玄関まわりに石の道をつくった事例|千葉県 F・T様
この工事の概要
- 千葉県のF・T様から、新しいお家の玄関まわりと中庭についてご相談をいただきました。どちらも土がむき出しのままで、雨のあとの泥はねと、これから出てくる草を気にされていました。
- ご相談をいただいたのが2026年の3月、工事は4月11日。玄関前は白御影石(600×900・磨き・厚み6cm)の敷石ですっきりと、玄関から中庭のウッドデッキまでは、両足がしっかりのる大きさの飛び石(インドネシア産のスリ鉄平)でつなぎました。どちらも一日で仕上げています。
- 雨あがりでも靴を汚さずに歩けるようになり、土がむき出しの場所が減った分、これから先の草むしりもぐっとラクになります。
ここだけ、土のままで
「ここだけ、ずっと土のままなんです」
最初に現場を見に行ったとき、F・T様はそう仰っていました。新しいお家が建ったばかりで、玄関のまわりも、中庭のウッドデッキのまわりも、これから。土のところを、そのまま踏んで歩いている状態でした。
雨が降った次の日がいちばん困る、とのことでした。土がぬかるんで靴の裏に泥がつく。そのまま玄関に上がることになる。お客様が来られたときも、ここを通ってもらうのが少し気になる。毎日のことなので、小さいけれど、地味にずっと続く不便です。
「そのうち草も生えてきますよね」とも仰っていました。実際、この日にはもう、隅のほうに小さな草が顔を出していました。

土がむき出しのまま。隅のほうには、もう草が出はじめていました。
玄関前は、白ですっきりと
こういう場所は、砂利を敷いて終わりにすることもできます。手っ取り早いですし、費用も抑えられます。
ただ、砂利はどうしても隙間ができます。その隙間に土ぼこりと草の種がたまって、何年かすると草が出てきます。歩けば少しずつ沈んで散らばるので、ときどき足しに来ることにもなります。ほうきで掃くこともできません。
私たち近藤石材店は、お墓リフォームの専門家です。創業から100年、何万件というお墓に関わってきて、10年後にご家族が困っている原因のほとんどが「土」だということを、この目で見てきました。玉砂利の隙間から生えてくる草に、みなさん本当に苦労されています。それは、お家のまわりでもまったく同じなんです。
玄関前は、余計なものを使わずにすっきりさせたいと思いました。選んだのは白御影石の600×900、表面を磨いたものです。
一枚が大きいと、石と石のつなぎ目(目地といいます)の本数がぐっと減ります。つなぎ目が減れば、草が出てくる隙間もそれだけ少なくなる。踏んだときのガタつきも出にくい。表面を磨いてあるので水が切れやすく、汚れも落としやすい。掃除は、ほうきでサッと掃くだけで済みます。
厚みは6cmのものを使いました。外まわりの平板としては、正直、贅沢なほうだと思います。3cmくらいの薄いものも世の中にはありますが、薄いと踏んだときに動きやすく、下の土が痩せてくると浮いてくることもある。6cmあれば石そのものに重さが出るので、据えた場所にどっしり落ち着いてくれます。
お家の壁ぎわには、黒い玉砂利を細く一本入れました。屋根から落ちてくる雨だれを受けるための帯です。ここが土のままだと、雨のたびに泥が跳ねて外壁を汚してしまうので、あえて石ではなく砂利にしています。
できあがると、見えなくなるところ
石の道が長持ちするかどうかは、正直なところ、石そのものより下の作りで決まります。ここは仕上がってしまうと、もう誰にも見えません。
まず、土を掘ります。15cmほど掘り下げて、出た土は一輪車で外へ運び出します。石の厚みの分だけではなく、その下に入れる土台の分まで掘るので、思っているより深く掘ることになります。

糸を張って、深さを見ながら15cmほど掘り下げていきます。
掘ったところに砕石を5cmほど入れて、機械で締めていきます。オレンジ色の機械はプレートといって、地面を上から叩いて固めるものです。ここを省いてしまうと、あとから石がじわじわ沈んで、数年でガタガタしてきます。

砕石を5cmほど入れて、プレートでしっかり締め固めます。ここが土台になります。
締まった土台の上に、石を一枚ずつ置いていきます。600×900で厚み6cmの御影石は、大人が二人がかりでも持ち上げるのがやっとの重さです。吸盤で吊り上げて、そっと下ろす。
下ろしたら、赤い水平器を石の上にのせて、一枚ずつ傾きを見ます。ぴったり水平にするのではなく、水がお家の側に流れ込まないよう、ほんの少しだけ外へ傾けておく。この数ミリの傾きが、雨のあとに水たまりを残さないための工夫です。

一枚ずつ吊って下ろし、水平器をあてて傾きを見ます。
石が並んだら、まわりの土をならして仕上げます。石の際が痩せていると、雨で土が流れて石の下に空洞ができてしまうので、ここも手を抜けないところです。

石のまわりの土を、ていねいに均していきます。
できあがりが、こちらです。玄関の脇から、まっすぐに白い道が通りました。壁ぎわの黒い砂利が、白い石を引き締めてくれています。

玄関前のできあがり。壁ぎわには黒い玉砂利を一本、細く入れています。
庭に行く道は、少し遊び心を
玄関前が仕上がったら、同じ日のうちに庭のほうへ移ります。
玄関から中庭のウッドデッキまでは、飛び石でつなぐことにしました。玄関前をすっきり仕上げた分、庭に向かう道は少し遊び心があってもいいのかな、と思ったんです。
選んだのは、インドネシア産のスリ鉄平という石です。赤みのある茶色で、少しざらっとした肌をしています。濡れても滑りにくいので、外を歩く石には向いています。
飛び石は、同じ形のものがひとつもありません。だから石置き場まで行って、クレーンで一枚ずつ起こしながら、顔を見て選びます。厚み、大きさ、色の出方。並べたときに全体がまとまるかどうかを頭に置きながら、必要な枚数だけ選んでいきます。この作業だけは、写真やカタログでは決められません。

石置き場で、クレーンで起こしながら一枚ずつ選びます。
現場に戻って、ウッドデッキの前で寸法をはかります。どこから歩き出して、どこへ上がるのか。その線を先に決めておかないと、石が余ったり足りなくなったりします。

ウッドデッキの前で、通る線と寸法を決めていきます。
両足が、しっかりのる大きさで
飛び石の大きさには、こだわりました。
ホームセンターなどで売っている飛び石は、30cmくらいのものが多いと思います。片足がのって終わり、という大きさです。それでも歩けますが、一歩ごとに足元を気にすることになる。せっかく石屋にお声がけいただいたのだから、両足がしっかりのる大きさで揃えました。曲がるところやウッドデッキの前など、立ち止まる場所には特に大きな一枚を入れています。
厚みも8cmほどあるものを選びました。飛び石の下は土なので、薄い石だと年数が経つうちに動いたり、浮き上がってきたりします。厚みがあれば石自体が重くなるので、そういうことが起きにくくなります。
もうひとつ、飛び石でいちばん大事なのが間隔です。ここが合っていないと、一歩が窮屈だったり、逆に届かなくて足を伸ばすことになったりします。せっかくの石が、使いにくい石になってしまう。
なので、まず仮に並べます。そのうえでF・T様にも実際に歩いていただいて、少しずつ動かしていきました。カーブのところは内側と外側で歩幅が変わるので、一枚ずつ位置を直します。

まず仮に並べて、実際に歩きながら間隔を決めていきます。
位置が決まったら、いよいよ据えます。大きな石は一枚で百キロを超えるので、吊り上げて、少しずつ下ろしていきます。

決めた位置に、一枚ずつ吊って下ろします。
下ろして終わりではありません。ここからが、いちばん手間のかかるところです。
飛び石は裏側がでこぼこしているので、そのまま置くと必ずガタつきます。石を起こして、下の土を足したり削ったり。また下ろして、乗ってみて、まだ動くならもう一度。この「座り」を決める作業を、一枚ずつ繰り返します。木づちで叩いて、落ち着かせる。地味な作業ですが、ここをきちんとやっておくと、何年も踏まれてもぐらつきにくくなります。
高さも、地面からほんの少しだけ出るように揃えます。出すぎると足を引っかけますし、埋まりすぎると雨のときに水が乗ってしまうので、その間を狙います。

ガタつかないよう、一枚ずつ座りを決めていきます。
10年後も、気持ちよく歩けるように
玄関から、ゆるくカーブを描いて中庭のウッドデッキまで。土のままだったところに、歩く道ができました。

玄関から中庭まで、ゆるくカーブを描いてつながりました。
工事は4月11日の一日で終わりました。玄関前も庭も、朝から取りかかって、その日のうちに。お家の出入りができない日が続くと、ご家族には申し訳ないですから。仕上げの掃除は、週が明けた月曜にあらためて伺っています。
仕上がりを見て、F・T様には「本当にきれいになった」と言っていただけました。飛び石の上を実際に歩いてみて、間隔がちょうどいいと言っていただけたのが、私たちはいちばん嬉しかったです。
雨のあとでも、靴を汚さずに玄関まで歩けます。土がむき出しだった場所が減ったので、草が出てくる場所もその分少なくなりました。掃除は、ほうきで掃くくらいで済みます。
石は、10年経っても20年経っても、そこにあり続けます。下の土台をきちんと作ってあるので、この状態を保ちやすいはずです。これから庭の草木が育って、飛び石のまわりが緑で埋まってくると、もっといい景色になると思います。その頃にまた見に行かせてください、とお伝えしてきました。
お家まわりの石のこと、どんな小さなことでも見に行きます。近藤石材店まで、気軽にお声がけください。
施工前 → 施工後

施工前。土がむき出しでした。

施工後。中庭まで石の道が通りました。
🔨 5代目のひとこと
F・T様は新しくお家を買われたばかりで、外構がまだ手つかずの状態でした。私も家を買った身なので分かるんですが、外構って、なかなか難しいですよね。その中で石を使うという選択をしてくださったことが、まずありがたかったです。玄関前は、変なものはつけずに白ですっきりと。庭に行くほうは、逆に少し遊び心があってもいいのかなと思って、飛び石にさせていただきました。飛び石はホームセンターだと30cmくらいで、足が一つ乗るのがやっとです。せっかく石屋に頼んでいただいたなら、しっかり両足がつく大きさを。ポイントになるところには大きな一枚を使ったので、より使い勝手がいいと思います。実際に歩きながら感覚を見ていただいたので、使いやすくなっているはずです。
F・T様にいただいた疑問・ご質問
Q. 玄関まわりは、砂利と敷石ではどちらが後々ラクですか?
A. お手入れの手間で考えるなら、敷石のほうがラクです。砂利は隙間に土ぼこりと草の種がたまるので、何年かすると草が出てきます。歩くうちに散らばるので、ときどき足す必要もあります。敷石なら、ほうきで掃くだけで済みますし、草の出る隙間そのものが少なくなります。ご予算とのバランスもあるので、通る場所だけ石にして、あとは砂利にするというやり方もよくご提案しています。
Q. 飛び石は、どのくらいの大きさと間隔がいいのですか?
A. 大きさは、両足がしっかりのるものをおすすめしています。よく売られている30cmほどのものは片足がのって終わりなので、歩くときに足元が気になります。間隔は、仮に並べた状態でお客様に実際に歩いていただいて決めます。カーブのところは内側と外側で歩幅が変わるので、そこも歩き方に合わせて一枚ずつ調整します。図面の上だけでは決められない部分です。
Q. 工事は何日くらいかかりますか?
A. 今回の玄関前と庭の飛び石は、4月11日の一日で仕上げました。規模にもよりますが、お家の外まわりの工事は、出入りができない日が何日も続くとご家族に負担がかかるので、できるだけ短く区切るようにしています。仕上げの掃除だけ、日をあらためて伺うこともあります。
F・T様には、Googleの口コミにも「間違いない石選びでした」と書いていただきました。いちばん手をかけたところを褒めていただけて、本当に励みになります。
執筆:有限会社近藤石材店 5代目 近藤洋(創業1925年・千葉県八千代市佐山1837-1・TEL 047-488-5054)